読み
かささぎの 渡(わた)せる橋(はし)に おく霜(しも)の
白(しろ)きを見(み)れば 夜(よ)ぞ更(ふ)けにける
意味
かささぎが架けたとされる天の川の橋、それに見立てた宮中の階段に降りた霜が白い様子を見ると、夜も随分と更けたのだなぁ
解説
- かささぎの渡せる橋
- カササギは、鳥綱スズメ目カラス科の鳥。お腹が白いのが特徴で漢字では「鵲」と書く
カササギが天の川に橋を架けたとされる七夕伝説から、「かささぎの渡せる橋」=「天の川に架かる橋」を表す
一方で「橋」=「宮中の階段を尊んでいう階(はし)」を意味し、宮中の御階(みはし)を天の川に見立てているとも考えられる - おく霜の
- 「おく」=「降りる」
- 夜ぞふけにける
- 夜も随分と更けたのだなぁ 「ぞ」は強意の係助詞
音声
作者
中納言家持(ちゅうなごん やかもち)(718~785)
三十六歌仙の一人。本名は大伴家持(おおともの やかもち)